ジェファーソンからの手紙

就業・働き方改革、キャリア、組織マネジメント、IT、政治、社会、文化などについて徒然に書きます

【雇用問題の簡易考察】自分戦略の立て方-地図を読みコンパスを持ち、星を見てでも歩む方法

売り手市場とはいえ、働くことができない若者、働きたくても心と体がそれを拒んでしまう若者は多い。 
就職難でそもそも就業機会がなく、「仕事は選ばなければある」という社会通念の基下で ブラック企業に就職し、心身を病んで働けなくなる若者も多いでしょう。 

そんな時代の生き方を考えてみましょう

 


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・若者を「甘えだ」「怠惰だ」と批判するのは簡単です。 
中には本当に甘えと怠惰の人もいるでしょう。どんな母集団に程度はともあれもそういう人はいる。 

でも、そんな安易な言葉で本当にすべては片付くのでしょうか? 
全てを甘えと怠惰だと言い切れるほど、その人は全ての困難を精神論で解決できて来たのでしょうか? 

真剣に働き、限界まで戦った結果倒れた人を、動けなくなった後に外野が「甘え・怠惰」と言い出すのは悪意ある結果論です。 

それは、水が干上がった川で魚を釣れと言っているようなものだったり、 
草1本生えない荒れ地で牛を捕まえろと言ってるようなものです。 
そして、それが無理だったときに画面の向こうから甘えだ怠惰だと罵るようなものです。 

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・それを「かわいそうだ」と同情したり、頑張れと言うのも同様に簡単です。 
同情や励ましはその人の心を癒すでしょう。 

それは例えるなら、飢えた人に一切れの魚の切り身を与えることです。 
一時の飢えは凌げます。 

でも、根本は何も解決しません。 
そして、今日与えたその人は明日来ません。 

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その人に一番与えるべきものは何でしょうか? 
教科書的には「魚の取り方」であり「牛の捕まえ方と捌き方」です。 

でも、その前に大事なことは「そこに餌はないよ」という情報と「向こうに君が捕まえられる餌がたくさんいる場所があるよ」という情報です。 

その人はそこしか知らないから、その場所で頑張るのです。 
それは悲しい努力です。 

そこに留まる義務はその人にはない。 
移動するのは自由です。 
それをその人が気付かなければ、だれかが教えてあげればいいのです。 

この、当たり前すぎる話が今の雇用のアンマッチの現実です。 

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生きることはサバイバルです。 
働いて金を稼ぐことは餌をとることです。 

サバイバルには三つの段階があります。 

①まず、生き残れる場所を探すこと 
②自分ができる範囲で捕まえられる餌を探すこと 
③より高質の餌を捕まえる手段を確保すること 

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①を僕は「自分戦略」と呼びます。 

地図とコンパスを持ち、どこに行くべきかの選択肢となる情報を得て、自分がどこに行くかを決断すること。 
立ち位置の認識があって戦略を練ることが可能です。 
戦略があって初めて、方向性の決断ができます。 

②を僕は「素手力」と呼びます。 

素手は天から与えられた自分の素養です。 
努力で鍛えても限界があります。 
賢い人、体力がある人、瞬発力がある人、持久力がある人、耐性がある人、人それぞれです。 
もちろん、鍛えるのは大事です。 
でも、足が遅く賢い人は足の速い動物を追いかける努力をする前に罠を作る方法を考えた方が得策です。 
精神論と根性でウマよりも速く走ることは不可能です。 

己を認識し、出来る範囲で鍛え、出来る範囲のことを行うことも大事です。 

③を僕は「武器力」と呼びます。 

人間には、武器を使う能力があります。 
武器は、素手ではできなかった多くのことを実現可能にします。 

貴方にしかない武器は、貴方しか取れない美味しい餌をあなたにもたらします。 
他の人が活用できない餌場を、貴方だけの餌場に変えることができます。 


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何ら秀でた素手を持たず、特段恵まれた餌場に生まれなかった僕は、 
地図と武器をかき集め、餌場を渡り歩き、なんとか今まで生きています。 

飢えている時々のタイミングで餌場を教えてくれる人達に巡り合えたことも、天が僕に与えてくれた武器なのかもしれません。 

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誰かに地図とコンパスを与えること、武器の存在を教えることはそれだけでその人を救います。 
例え、手元に地図もコンパスも無くても、星の見方がわかれば方角はわかります。 

どこに進むべきかがわかれば人は歩けます。